「フリークス」
fireTVスティックで、久々にトッド・ブラウニング監督の「フリークス(Freaks)」(怪物團、米・32年)を鑑賞。
演者のほとんどが小人、シャム双生児、小頭症、手足欠損などの奇形者や障害者で公開当時はかなりの衝撃だったらしく、今も公の場での上映はムリかもね。
俺は昔、ペヨトル工房のサブカル雑誌「夜想」の特集で知ったが、エレファントマンやこの映画に出てくる通常とは違った形の人間たちに全くの悪趣味で何か親しみや興味を感じていたものだ。今や俺が半身麻痺というフリークスだが。
クソガキの頃、家族旅行で泊まった旅館の食堂で隣のテーブルに顔面奇形の女の人が座ってて、見た瞬間から衝撃で食事が一切喉を通らなくなったことを思い出す。人は通常持つ概念とは違ったものをなかなか受け入れ難いものだ。それが人だったら尚更だろう。
というわけで、映画は見世物小屋・サーカス団の一員である小人のハンスを騙して、殺して、金を奪おうとした普通の美貌の軽業師・クレオパトラに仲間のフリークスたちが復讐するというお話。
前に観た時も思ったけど、フリークスに追い詰められたクレオパトラが恐怖のあまり、下半身が鳥みたいなグロテスクな形になって、グワー、グワーと鳴いてるなんて、そんなのありえねえだろうよ(笑)。
しかし、まさに、宣伝看板を見てると怖いけど、興味を掻き立てられ、つい覗いてしまう見世物小屋に脚を踏み入れたような、そんな趣のある映画だ。
“正常とは一体何なの?”とかいうイデオロギーは抜きにして、トッド・ブラウニング監督がフリークスたちをイキイキと描いてて素晴らしい。後年のデヴィッド・リンチ監督同様、フリークスに対する愛が感じられる。
ピンヘッドの三姉妹なんて笑顔が薄気味悪いけど蛭子能収さんにクリソツだね(笑)。
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