【古典邦画】「実録忠臣蔵」「雷電」
1928(昭和3)年の、牧野省三監督によるサイレント映画「実録忠臣蔵」と「雷電」。図書館のDVD。
事故による火災で、一部が焼けたらしくて、後に再編集されたリメイク作品。
牧野省三は、日本初の職業映画監督で、洋画のD.W.グリフィスに準じて、“日本映画の父”と呼ばれたというが知らなかった。
大昔から、忠臣蔵は、TVも含めて何度も映像化されているから特別、目新しいものはないが、牧野監督の50歳記念の大作らしい。
忠臣蔵ってのは、普段、吉良家当主の吉良上野介(キラコウズケノスケ)から、事ある毎に様々なイジワルを受けていた赤穂浅野家の殿様である浅野内匠頭(アサノタクミノカミ)が、ついに、江戸城の松之廊下でブチ切れて、吉良上野介を斬り付けたものの、ケンカ両成敗とはならずに、徳川綱吉将軍は、浅野内匠頭を切腹として赤穂藩を取潰したが、吉良上野介にはお咎めなしとした。それで、怒った浅野家筆頭家老の大石内蔵助(オオイシクラノスケ)ら義士47名が、浅野内匠頭の無念を晴らすとして、吉良邸に押し入り、吉良上野介の首を討ち取ったという話だ。そして、後に義士らは切腹するのだ。
儒教が説く「忠」…国家・主君などにまごころを尽くして仕える…を表した、まさに、旧来の日本的なドラマだから、年寄り共にウケたのであろうと思う。義士らの怒りが、不公平な裁断をした将軍に向かうことはない。しかし、弁士による解説がよく合う。
次作品の「雷電」は、牧野監督の遺作で20分ほどの小品。
力士の雷電は、メッチャ強いために反感を買ってしまうと心配した母から、次の取組みでワザと負けるように言われる。相手は、雷電を勝たせたいと考える殿様が、通りを歩いていたヒョロヒョロのヤブ医者を捕まえて無理矢理、力士に見立てた者で、つまり、負けたいと考える2人の力士の取組みという、ちょいとムリがある設定の喜劇だ。
ヤブ医者は、牧野監督の息子の雅弘。コレもある意味で日本的だといえよう。
サイレント映画って、演者が客にわかるように大げさな身振りをするから面白いね。
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