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「宇宙人ポール」
2011年の英米SF(?)映画「宇宙人ポール(Paul)」。
監督はグレッグ・モットーラだけど、脚本はサイモン・ペッグとニック・フロストの映画“ヲタク”コンビ。主な出演もだ。
スピルバーグの「未知との遭遇」と「ET」に加えて、70〜80年代のアメリカン・ニュー・シネマを含む要素がチョコチョコと入った、ノスタルジックなコメディ映画だった。
イギリス人のコアなSFヲタクであるクライヴ(SF小説家)とグレアム(イラストレーター)のコンビ。アメリカで開かれるコミコン・インターナショナル(日本のコミケみたいなもの)に行くために渡米、レンタルのキャンピングカーで移動している。
2人はコミコンのついでに寄ったUFOの聖地、ネバダ州のエリア51付近で、ホンモノのエイリアン、ポールに遭遇する。
ポールは政府の秘密施設から逃げ出して来たのだった。2人のヲタクコンビは政府から追われるポールをUFOに乗せるまで助けることに…。
エイリアンであるポールが、容姿はグレイ(宇宙人のタイプ)だけど、サンダルに半ズボンで、地球暮らしが長かったため、ダーティワーズいっぱいでジャンクフードを好む陽気なアメリカ白人のように描かれている。
途中で拾うモーテルの受付の女の子が、進化論を否定し聖書の世界をそのまま信じてるキリスト教原理主義者で、彼女を追って来る父親もポールを悪魔として狙う典型的トラッシュ白人。
政府のMIB(メンインブラック)に追われて、ドタバタ珍道中みたいだけど、2人のヲタクに絡んでくる不良も銃を持つ保守的下層白人だったりして、宇宙人のポールが自由を愛する陽気なアメリカンなのに対して、頑迷な田舎の保守層が攻撃して来るという、現在のアメリカを象徴するような演出がサイコーに面白い。
2人のヲタクをはじめ、皆、宇宙人ポールに接する中で解放されていくのだ。
知ってる人が観たらニヤリとするであろう皆で輪になってマリファナを吸うシーンや、「激突」や「ジョーズ」、「エイリアン」(シガニー・ウィーバーもMIBのボス役で出てる)を思わせるセリフなど、ファンとしてスピルバーグ他、70〜80年代のアメリカ映画への想いが溢れてる映画だ。音楽もELOなど当時のもの。
上手いアメリカン・コメディはやっぱり楽しいね。
アメリカって国は意外と広くて、自由な進歩的雰囲気なのはNYやロスなど一部の都市周辺で、多くはキリスト教原理主義のめっちゃ保守・差別・排外的で銃を持つトラッシュ白人層なのだ。多分。
しかし、ヲタクってデブでダサいのは世界共通なのかなぁ。集めるだけで産み出さないからだろうか?
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