【映画】「マルコヴィッチの穴」

スパイク・ジョーンズの初監督作品で、ユーモアいっぱいの不思議な映画「マルコヴィッチの穴(Being John Malkovich)」(1999・米)。

数々の賞を受けてるだけあって、よくこんな脚本を思いつくなぁと感激した、不条理というべきコメディ映画であった。 

人形師をやってるクレイグとペットショップ店員の妻ロッテは倦怠期を迎えた夫婦。
クレイグは新聞で見た定職に就こうと面接を受けにあるビルを訪れる。
会社のあるフロアは7階と8階の間、つまり7と2分の1階にあった。
そこのフロアは天井が低くて、かがんでオフィスに入り面接を受けて採用となる。
ある日、クレイグは、オフィスの壁に不思議なドアの付いた穴を見つける。
興味津々、そこに入ると、有名な俳優マルコヴィッチの頭の中に入って、彼を通して物事を見ることができた。
でも、それは15分だけで、時が過ぎると高速道路脇の土手に落ちて来るのだった。
クレイグは、妻ロッテや同僚の女性マキシンと共に、その穴を使って商売を始める。
彼はマルコヴィッチになりきって俳優から人形師に転身するが、クレイグと妻、同僚の女性の関係がおかしくなっていく…。

なんともヘンチクリンなストーリーだ。

フィリップ・K・ディックにも通じる、肉体と意識・精神を分けて、知らぬ間に別人になってるというものでもあるし、妻が穴に入る度に性的な絶頂感を得たりして、クレイグがマルコヴィッチになりきって好きな同僚の女性と寝たり、エロチックなものがモチーフになってるような…。

頭の中に誰かが入ってるのを知ったマルコヴィッチ自身が自分の頭の中に入り込むと、見る人間全てがハゲ頭のマルコヴィッチだったり、不条理過ぎて、ややこしくて、真面目に考えると頭がイタくなる。

夢で見た、はちゃめちゃな出来事をかろうじて理路整然と筋の通る話に仕立て上げたって感じだ。

クレイグが操る人形のリアルなこと。上から紐で動かしているのだが、人間よりも人間らしい感情を表す動きには驚く。まさに人形に命を吹き込むだ。「生き人形」だ。

人形に命を吹き込んで人間のように動かすのと、マルコヴィッチに別人が乗り込むのと関係がありそうだね。

とにかく、自分の意識が知らない他人に操られるのは怖いことだ。その間、自分の本当の意識はなくなってしまうのだから。

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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。