「石田徹也遺作集」
何かで見たことのある絵だった石田徹也氏の遺作集。
無表情のサラリーマン風の男が建物や機械、家具などに入り込んで同化してる。
インパクトのある不気味で怖い絵が中心だ。女は出てこない。掲載作品で数点だけ。
いったい何を表してるのだろうか。安易に、現代社会の無機質で個性のない全体主義的な状況を表してるなんてことは言うまい。
「意味を込めるのを止めてイメージで描く。メッセージとかあると何か違うかなと感じて。駅前で拡声器でワーワー言ってるのと変わらないし。自分の狭い視野で押し付けてるようなものは嫌になって。見る人の生きてきた時間とか、その時の感情とかで絵は絵じゃなくなる。絵を見て、笑ってる、怒ってる、悲しがってる、そういう人が同時にいるのが理想」と石田氏が言うように、見たままに感じれば何でも良いと思う。
俺は…まるでカフカの“毒虫になったゴレゴール・ザムザ”や村山槐多の“尿する裸僧”をイメージするような不気味で面白い絵だなぁ、くらいしか言えないけど。
石田氏は31歳の若さで夭折してるんだ。鉄道事故ってあるけど、調べたら精神の病による自殺だって。残念。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。