【映画】「マッド・ハウス」

去年の映画「マッド・ハウス(1BR)」(2020・米、デビッド・マルモール監督)。カルト教団を題材にしたサイコ・スリラーだな。

田舎の実家から独立して、都会のLAで一人暮らしがしたかったサラが、ある共同アパートメントの入居希望者として応募、選ばれて入居することになるが、そこは入居者全員が、あるカルト教団のメンバーだった…という話で、サラは監禁されて、苦しみを与えられて、徹底的に洗脳される。
洗脳プログラムを終えて、晴れてメンバーとなるが、同じくバイト先の友人が監禁され暴行を受けるのを目にして、我に還ったサラはリーダーをアイスピックで刺し殺し、銃を奪って逃げ出すのだ。

これは監督が、“シナノン”という実在した薬物問題のグループセラピーのカルト団体をモデルにしたらしい。

洗脳のやり口ってのはだいたい同じだね。孤立させて、徹底的に苦痛を与え、考えさせなくした上で、“アナタを救いたい”と少しの希望を与えて、次に異様に優しく接する。しかし、監視と命令と罰は忘れない。

最初からアパートの住人が異様に親切で良い人ばっかりだし、サラの歓迎パーティなんかやって急速に接近し、やっぱりオカシイと感じる。サラはパパとケンカして飛び出したばっかりなんで、薬を飲まないと寝れないくらいの精神状態で、心の隙間を狙われたわけだ。

苦痛を与えるプログラムで、両掌にキリストの磔刑みたく釘を刺して壁に固定させるシーンがあるけど、もう痛くて見てらんない。しかもカワイイ女の子だし。

恐怖から反抗、受動、従順と表情が変化していくこの女優さんの演技は素晴らしい。

最後にサラを救ったのは、バイト先の友人の「どんなに辛いことがあっても、それが自分のクソみたいな人生よ」との言葉だったけど、つまり、自分の身に起こったことを受け入れろってことだ。受け入れずに、空想的な明るい未来ばかりを見ようとするから、カルトにハマるんだということだ。

欲も嫉妬も怒りも裏切りも、裏があるからこそ人間そのもの。それを全て悪魔の所業として否定してないものにしようとするからオカシなことになる。

ラストに、サラはアパートを逃げ出すことに成功するが、その街全体がカルト教団の不動産物件だったというオチ付き。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6


いいなと思ったら応援しよう!

TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。