【洋画】「大脱走」
1963年のアメリカ名画「大脱走(The Great Escape)」(ジョン・スタージェス監督)を観た。
ガキの頃、TVロードショーで観たかな?
第二次世界大戦時の捕虜収容所を舞台にした戦争映画なのだが、戦闘シーンが一切ない集団脱走劇だ。
基本は、英空軍戦闘機がドイツ軍の機銃掃射を受けて、パラシュートで脱出、捕虜となった乗組員が、収容された捕虜収容所で体験した実際の脱走計画に準じる。
ハリウッド・オールスター・キャストで、脱走を諦めない不屈の男たちのドラマだな。この映画音楽のマーチは超有名だね。
主人公格のヒルツ(スティーブ・マックイーン)が脱走時、ドイツ軍から奪ったオートバイ(実はBMWじゃなくてトライアンフ)で草原を逃げ回るシーンも有名だね。
ドイツ兵を誤魔化して、皆で秘密裏に計画して、協力して毎晩、少しずつ穴を掘って脱出口を作り、76名が収容所の外に出たは良いが、国外に出たのはたったの3名で、後は見つかって逮捕され、収容所に戻されて、うち50名は護送の途中で処刑されてる。それだけ脱走は大変だったのだろうが、ナチスドイツも捕虜に逃げられるなんて、国の威信に関わることだったのだろうか。
最初、大脱走の前に、何度も脱走を試みて、捕まっては戻されて、罰として狭い懲罰独房に入れられるけど、ナチス・ドイツ軍にしては緩いもんだなぁと思うけど、仲間の1人が精神的に追い詰められて鉄格子に突っ込んで射殺されるところで、本格的な集団脱走を決意する。
脱走劇がゲームみたいで、ハラハラドキドキ、手に汗握るはもちろんのこと、時折、ユーモアも盛り込まれて、観てても飽きない。さすがは歴史的名作。
大脱走では、ほとんどが失敗に終わったけど、50名もの犠牲を出して、脱走を試みる価値があったのか?と、ラストで問われるが、捕虜のトップである大佐は、「見方による」としか言わない。
脱走の責任を取らされる収容所所長は、捕虜の大脱走のおかげで前線に飛ばされることに。捕虜たちを恨むところだが、「ベルリンに行くのは君らの方が先だな」と皮肉っぽく別れの言葉を述べる。さすがの収容所所長も、捕虜の反骨精神と闘志に敬意を表したのだ。