「ダイヤモンドの犬たち」
「ダイヤモンドの犬たち(Killer Force/The Diamond Mercanries)」(75年・米英、ヴァル・ゲスト監督)。デヴィッド・ボウイーのアルバムではない(笑)。
主演の「イージー・ライダー」のピーター・フォンダをはじめ、「刑事コジャック」のテリー・サバラス、ドラキュラのクリストファー・リー、名脇役のヒュー・オブライエン、アメフト選手だった強盗殺人犯のO・J・シンプソンに、ピーター・フォンダの恋人役でボンド・ガールだったモード・アダムスと来れば、70年代B級アクションで決まりだ。
南アフリカのダイヤモンド採掘会社の金庫の警備主任だったマイク・ブラッドリー(ピーター・フォンダ)がダイヤ強奪の計画を立てて、傭兵などで組織した5人組と一緒になって計画を実行する。本社の警備責任者、ウェッブ(テリー・サラバス)がマイクの裏切りに気づき、隊員とともに一味を追いかける…といったストーリー。
さすが皆、一癖も二癖もある連中ばっかりで、スキンヘッドに黒いグラサンのテリー・サラバスなんて、そのまんま怖すぎる。マイクの恋人(モード・アダムス)を問い詰めて、そのまま強引に唇を奪うなんざ、さすが野郎中の野郎である。今じゃセクハラで考えられないけど。
ムサイ、ピーター・フォンダがジープで砂漠を駆るカーチェイスや銃撃戦、ヘリコプターでの脱出劇など、B級アクションに多数出演経験のある彼らしい演技で目が離せない。
O・J・シンプソンは今でいうエディ・マーフィーみたいなよく喋る明るくノリノリの強盗仲間だ。
クリストファー・リーも普段は詩を愛しながら、冷たく残酷に人を殺す、まさにドラキュラみたいなキャラ。
つまり、野郎の汗の臭いプンプンの野郎のための野郎の映画だな。
この映画には2つのエンディングが存在する。一つはダイヤ強奪に成功して恋人とともにヘリで逃げて、ウェッブ(テリー・サラバス)も追うのを諦める。もう一つがヘリで逃げるけど、ウェッブが銃で撃ってヘリを爆破させる。
この東京12チャンネルのお昼のロードショー感が大好きだ。