【邦画】「天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命」
「天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命」(2011年、大浦信行監督)。Amazonプライムで見つけた。
昔、彼の小説は、「天皇ごっこ」、「囚人狂時代」も面白く読んだ。
2005年に、自宅マンションから飛び降り自殺した見沢知廉(享年46)の軌跡に、双子の妹さんが迫るドキュメンタリー映画。
メインだと思われる、82年に見沢らが起こした“スパイ粛清事件”について、関係者が克明に証言する件は、けっこう衝撃的で興味を惹かれる。
鈴木邦夫や雨宮処凛、森垣秀介など、お馴染みの方々が揃って証言するけど、俺は、見沢は、一種のパフォーマーであり、新右翼活動家として政治的に判断すべきではないと思う。
彼は、死ととても密接なところにいて、過去の過激な行動や文章による表現によって、かろうじて現世に残っていたのだ。
極度のメンヘラであるのに、背負わせたものが重過ぎた。文章も母親との共同執筆だったはず。
故に、フツーは生きようともがくのが人間であるが、彼は死ぬためにもがいた。多分、周りは皆、早々と死ぬことを予想してたのじゃないだろうか。
穏やかに喋ってたかと思うと、いきなり怒鳴り出す彼の講演の音声は、背負ってたものが一気に噴出したような、哀しみと痛々しさに満ちている。
見沢のような、精神が真っ裸の表現者は、確かに、しぶとく生きるのは辛いだろうなぁ。メンヘラの極北だ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。