【映画】「BOX 袴田事件 命とは」
熊本県人吉市で起きた、同じ冤罪の免田事件と間違えちゃった。
袴田事件は1966年に静岡県清水市で発生した強盗殺人放火窃盗事件。
容疑者として、元ボクサーの袴田巌さん(現在85歳)が逮捕されたが、無理矢理の自供によるもので、冤罪とされてる事件。
元裁判官・熊本典道氏(故人)の視点から描いた社会派ドラマだ。
「BOX 袴田事件 命とは」(2010年、高橋伴明監督)。
袴田さんは一度死刑が確定したが、現在、裁判のやり直しを求めている。
免田事件や狭山事件など、他の冤罪事件と同様、警察による暴力的な取り調べと誘導尋問による自供、強引な供述書作成、証拠のでっち上げ等が行われている。
30歳で逮捕されて以来、実に45年以上にわたって拘置所に収監、ほとんどの人生をムダにしたようなものだ。
死刑確定後、拘禁反応など、精神に異常をきたし、コミュニケーションが全く取れない期間もあったという。
現在は、死刑及び拘置の執行停止で釈放されて、故郷で暮らしている。
この冤罪を作り出した警察官らは、数々の冤罪を作った犯罪的官憲・紅林麻雄の門下だという。
一度疑わしいと逮捕した手前、警察のプライドや組織の威信のために、間違いであっても、容易に覆すことはなく、過ちを認めることも絶対にない。なぜなんだろうね。
社会的結束の和のために反する個を容易に殺してしまう日本の組織の特徴の一つかもしれない。そこから勇気を持って飛び出す人は稀だ。
犠牲になった袴田さんの人生を思うと、なんともいえない悲しみと虚しさが込み上げてくる。
これまで真犯人じゃないかと疑わしい人物も浮上してるが、もうすでに故人だろうね。
この映画は、袴田事件を詳しく知るきっかけになったが、映画としての出来は俺にはイマイチだった。映画というよりもTVドラマだな。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。