【古典邦画】「なつかしの顔」
成瀬巳喜男監督の、1941(昭和16)年の40分程の小品「なつかしの顔」。YouTubeにて。
戦時の作品ではあるが、戦地に夫と息子を送り出して、残された母と嫁と幼い息子らのホノボノとした心温まるお話だ。
深読みかもしれないが、成瀬監督が、精一杯、戦争に影響されない様に、ちょっと反戦の意思を込めて、いたわりあう家族の風景を描いた様に思われる。
街でニュース映画の上映があって、ソレに息子が写ってると聞いて、最初に母が、わざわざ遠い街に出るのだが、涙でいっぱいになってしまい、息子がどこに写ってるのかわからなくなってしまう。
次に、嫁が行くが、義理の幼い息子が模型飛行機を欲しがっているのを知って、映画を観ないでそのお金で模型飛行機を買う。
帰った2人は、幼い息子に兄はどうだったかを根掘り葉掘り聞かれる…。
当時は、戦意高揚のために、田舎では、定期的に日本軍の活躍を報じるニュース映画の上映があったんだね。
嫁がふと呟いた、「映画を観ると悲しくなってしまう…」は、真実の言葉であるだろう。
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