「もっと知りたい 村山槐多 生涯と作品」
村山槐多(ムラヤマ カイタ)といえば「尿(イバリ)する裸僧」である。
昔、音楽雑誌「フールズメイト」で、この異常な絵を知った。
裸の托鉢僧が読経しながら放尿している絵で、ナンノコッチャわからないが、槐多の欲望、背徳、理知などを混成した象徴的な作品らしい。
僧の裸体が暗くドス黒い赤で、恥ずかしげもなく出した一物から放射される尿は、槐多の内に煮えたぎる情熱がほとばしったものを表してるという。
1919年(大正8年)2月20日に結核によりたった22歳で死んでしまった彼は、詩人・高村光太郎が“火だるま槐多”と読んで詩に書いたように、火だるまになるように死に物狂いで絵を描いてさっさと燃え尽きてしまったのかもしれない。
彼は詩も残してるが、「俺は描かなければならない。全力を持って描かなければならない。俺の仕事はその他にない、何もない」や、「狂はん狂はんわれ狂はん 狂いて描かん狂いて描かん ああわれは心も張りさけて 狂いて描かん」など、描くことに対する苦悩が滲み出るような作品ばっかりだ。
そして、このタイプのアーティストにありがちの、絵のモデルの女性に勝手に横恋慕して拒否されて、とても激しい失恋を経験している。加えて、いろんな知人に金をせびるくらいのものスゴい貧乏。
槐多の絵はアニマリズム(本能的欲望を満たすことを第一とする主義)を表したものらしいが、何気ない風景の他は裸婦など女性像、それに自画像がめっちゃ多いけど、今だに歴史ある古民家の倉庫などで未発表の絵が見つかったりしてる。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。