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「T2」
マンチェスターの音楽の次はエジンバラのアクションだ。
「トレインスポッティング」の20年ぶりの続編ということで、「T2 トレインスポッティング(T2 Trainspotting)」(2017年、ダニー・ボイル監督)を鑑賞。T2ってターミネーターかよっ。
前作のエッジの効いた若さ溢れるセンスがなくなって、コテコテの中年オヤジとなっちまった悪ガキどもの末路だけど、それもなんとも言えない悲壮感、絶望感があって、またよろしい。
物語は中心人物だったレントンがスポーツクラブで心臓発作で倒れてしまうところから始まる。もう無理がきかないアラフィフになったということだ。
その後、復帰した彼は移住先のアムスから20年ぶりに故郷のイギリス・エジンバラに戻って来るが、かつての仲間であるサイモン、スパッド、ベグビーの3人は恐喝、窃盗、ドラッグ中毒、殺人で服役とサイテーの人生を歩んでた。
実はレントンは皆でドラッグを売りさばいて儲けた大金を一人でアムスに持ち逃げしていたのだ。レントンは仲間を訪ねるが……。
皆一様に老けてるけど、クズっぷりは相変わらず。まともなオトナになってるものは1人もいない。20年前と一緒。一緒につるんでた女の子は弁護士になったりしてるのに。
一番のブチ切れサイコ男ベグビーは脱獄して息子を引き入れて窃盗稼業の果てに、大金を持ち逃げしたリベンジでレントンを殺そうとする。レントンだって職を失って離婚したら、昔のノリですぐに犯罪に手を出す始末。
中年となっても変わらない、変わることができない4人の今を、懐古シーンも入れつつ描くが、スパッドがドラッグを絶ち小説を書いたり、わずかながら進展も。
前作と同様、トイレで隣り合わせになったり、バイアグラを使ったり、ポップなコメディ要素も盛り込むけど、いかんせん老けてるからスピード感、リズム感がない。
きっとイギリスの労働者階級ってこうなんだな。どうしようもない階級の壁に阻まれて、日頃の不満をサッカー観戦で暴れたり、パブで呑んだくれたりして紛らわす。だからパンクやスキンズが生まれたわけだ。
若けりゃ暴力とドラッグで現実逃避できるけど、中年以降になると様々な責任が生まれ、体力もなくなるので逃げることが叶わない。
映画は、まさに“中年の危機”なんだが、4人のダメっぷりは自分にも当てはまるところがあると思うから、人ごとみたいに笑ってられない…となんか悲しくなっちまった(笑)。俺って今まで何をやってきたんだか。
オッサンだらけの中の紅一点、ヴェロニカの可愛さだけが際立ってる。
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