【洋画】「D.O.A.」

ホントは、久々に「ザ・グレート・ロックンロール・スウィンドル」を観たかったのだが、レック・コワルスキー監督の「D.O.A.」(1981年、アメリカ)がヒットした。Amazonプライムにて。

昔、渋谷の小さな劇場で観た記憶がある。

セックス・ピストルズの、最初で最後のアメリカ・ツアーを中心に、様々なパンク・バンドを追ったドキュメンタリー・フィルム。

やっぱり一番の見どころは、シド・ビシャスとナンシー・スパンゲンの短いインタビューかな。

「ジョニーなんかメじゃないわ。つまんない男よ。カッコだけじゃない。ギグの時じゃなくてもシドは光ってるのよ。シドは何度も彼と話そうとしたのよ」と、ナンシーがシドを擁護するが、シドはヘロインでヘロヘロ、半分寝てるし。インタビュアーの前で、ナンシーはヘーキで裸になって着替えるし。

ライブでは、ジョニーの顔にケーキが投げ付けられて、シドがベースで客を思いっきり殴る。この狂乱と混沌の世界は、まさにパンクで、若き日の興奮を思い出す。

脂肪のないストイックに見える、痩せて貧相な身体を上下左右に動かして、ツバを吐きつつシャウト、客と一体となって意味のない暴力を振るう。階級や仕事、日常など、日頃の不満や不安をぶちまけるのだ。

例え、天にツバする行為であっても、衝動的に怒りまくって中指を突き立てる。怒りこそがパンクなのだ。パンクは社会の恥で大いに結構。大人になるのを拒否してるで大いに結構。

格が違うピストルズの他、X-rayスペックス、グレン・マトロックのリッチキッズ、ジェネレーションX、テリーアンドイディオッツ、シャム69、デッドボーイズ…次々と懐かしいパンク・バンドが登場する。

出演者の半分くらいはすでに鬼籍に入ってるんだろうなぁ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。