「激怒」

TSUTAYA発掘良品「激怒(RAGE)」(72年・米、ジョージ・C・スコット監督)。

一人息子を連れてキャンプに出かけたオヤジ。だが、翌朝、息子は鼻血を出して昏睡状態となっており、飼ってた羊も死んでいる。急いで病院に行くと、息子共々、徹底的に検査・隔離される。翌日、息子は死んでしまう。背後に、近くにある軍の、化学兵器の神経ガスが漏れる事故があったことが判明、軍や病院、医師までが事故を隠そうとする。神経ガスで余命僅かとなる中で、ブチ切れたオヤジは病院を抜け出して、武器や爆弾を入手、兵器工場の爆破に向かうという復讐の物語。

しかし…爆破したかった神経ガスプラントはすでに移設されてて、工場はめちゃくちゃに破壊されたけど、オヤジは力尽きて復讐は叶わずという、そりゃあ、ねえだろ…と言いたくなる終わり方だった。

オヤジのなんとも言えない無念な気持ちがわかって悲しくなったけど、軍と権力者なんてこんなものだろうと予想はつく。実際にも、この親子のように“消された事実”はいっぱいあるだろうね。

隠す立場の若い軍医役がマーティン・シーンで、軍の秘密保持のために親子を見殺しにするイケメンの策略家って感じでピッタリ。

南部のトラッシュ白人みたいなオヤジは監督が演じている。命尽きるまでになんとか息子の仇討ちをと必死の体で動くが、絶対的な権力の前には、一般市民の怒りも無力だったと思わせるスカッとしない作品だった。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。