【洋画】「サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス」
なんと、あのサン・ラー(Sun Ra)が1974年に制作した映画がAmazonプライムで観れるなんて!「サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(Space Is the Place)」(ジョン・コニー監督)。
俺も昔、何枚かCDを持ってたけど、とにかく膨大な数の音源をリリースしてたサン・ラー(1979年に79歳で没)は、自らを土星の宇宙人と名乗り、ノイズやアヴァンギャルド・ミュージックのような音を出すフリー・ジャズのカルト・アーティストだ。
黒人であることから、古代エジプト、オカルトまでを自己の神話化に用いて、謎の黒人ジャズ・アーティストという一つの寓話を作り上げて、最後まで演じ切ったのである。
そんな彼が脚本、主演、音楽を務めたSF映画で、カルト・ムービーといってもよいだろう。
土星の大使サン・ラーは、宇宙に、黒人の理想郷となる惑星を発見して、地球から、フリー・ジャズのパワーを使って、惑星に、アメリカの黒人のブラザーたちを移送するというトンデモ・ストーリー。しかし、NASAが邪魔をするのだ。
チープでわかりにくく、稚拙で未完成な感じのB〜Z級映画だけど、まあ、サン・ラーだから許されるのだ。
黒人は宇宙からやって来た絶対の存在って、当時のアメリカの黒人差別に対するアゲンストのようでもある。
とにかく、黒人のヘンなオッさんの思想をビジュアル化しただけといえるだろうな。チープでスカスカということだけど。
アレサンドロ・ホドロフスキー監督の映画みたいでもあるが、細かく内容や意味を理解しようとはせずに、サン・ラーと彼の配下のARKESTRAのミュージシャンが奏でるフリー・ジャズを楽しみ、BGMのように映像を流して、雰囲気に呑まれるのが良いだろう。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。