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「田園に死す」

「書を捨てよ、町へ出よう」と、いくつかの詩や歌集くらいしか知らない寺山修司の映画「田園に死す」(74年)。

自伝的要素が強い寺山ワールド全開の映画だと思うが、所々の流れは理解できても、やっぱり前衛的な昭和アングラ演劇みたいなATGだ。

もう、こうしたアバンギャルドな作品に落ち着いてドップリと浸る余裕がなくなったなぁ。歳かしら。←じゃあ、観なきゃいいのだが(笑)。

白塗り(なんでだろう?)の少年の成長・独立する過程に、恐山と母と女と家出が入ってくる。恐山の賽の河原の風景は懐かしく観たね。よく撮影できたもんだ。また行きたい。

少年が母に「俺、皮っかむりの手術しようと思うんだ」と言うところなんか吹き出してしまったけど、寺山少年のヰタ・セクスアリスなのか。大人の女の言葉を信じて駆け落ちの準備をして家を飛び出したり、犬神サーカス団の男女のまぐわいを見て逃げ出したり、少年ながらも可愛いねぇ。

その辺から、劇中劇みたいになって、現在の大人になった少年が出てきて討論したり、また少年と出会ったり、変化を求めて、母を捨てて上京するが、結局のところ、童貞を奪われて、新宿の雑踏で、ちゃぶ台に座って母と飯を食ってて、なんじゃそりゃ??と言う展開だ。多分に寺山修司の母に対する想いは強かったのかもしれない。

まるでアレハンドロ・ホドロフスキー監督の「ホーリー・マウンテン」みたいだな。簡単そうで難しく、難しそうで簡単な映画だ。

だいたい少年時代なんて、ある程度美化されるもので、ウソが多いのだよ。だからこそ、たくさんの表現が産まれるのだ。

バックで流れるJ・A・シーザーの曲がイイね。

さあて、俺も外に出ようっと!

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。