「ゲーテとの対話 中巻」

ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの思想がわかる、師事してたエッカーマンが書いた対話集の中巻、やっと読了。

上巻には格言になりそうな話も多かったけど、中巻は、同じ芸術論でも雑談風が多いように思う。

エッカーマンが、ゲーテが話した一語一句を、こんなに正確に覚えてて書き記しているわけないから、多分、盛りも多いだろう。

ゲーテは、すでに80歳だが、上巻では、エッカーマンがゲーテの話すことに全部、感銘を受けてるようだったが、この中巻では、例えば“色彩論”なんか異を唱えてたりして、ゲーテはちゃんと反論することなく、機嫌を損ねることもあったりして、老いたゲーテの一面を知ることができる。先立つものは金だと言い放ったり、過去の価値観を美化したり、知の巨人であったゲーテに終わりが近づいていることが伺える。

さて、次は最後の下巻。

「真理というものはたえず反復して取り上げられねばならない。誤謬が、私たちのまわりで、たえず語られているからだ」

「我々は、子供のころは感覚論者だ。恋をして、恋人に、現実には存在しない性質を見るようになると理想主義者になる。この恋もぐらつきだして、誠実さというものを疑うようになると、いつのまにやら懐疑主義者になる。そうなると、あとの人生はどうでもよくなる。我々は、なるがままに任せるようになり、ついにはインドの哲学者たちみたいに、静寂主義になるというわけだ」

「自分自身を知るのは、楽しんでいるときか、悩んでいるときだけだ。また、悩みと喜びを通してのみ、自分が何を求め何を避けねばならぬかを教えられる」

「憎悪は人を傷つけないが、軽蔑は人を破滅させる」


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。