「ゲーテさん こんばんは」
ドイツの大文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの数多くの面白いエピソードを書いた文庫本。
一番面白いのは、妻を亡くして、74と老境にあるゲーテが、湯治で行った温泉町マリーエンバードで、夫を先に亡くしたレヴェツォ夫人とその娘たちに出会い、結婚の申し込みとなるラブレターを渡すが、実は、レターは夫人の19歳の娘ウルリーケ宛のものだったという話だ。
誰もが夫人に対する求婚だと思ってたからうろたえて、ゲーテの意図を聞く前に、夫人は娘共々、あわただしくマリーエンバードを離れている。
失恋した老人は寂しく帰途についてるが、その後もしつこく手紙を書いたりしてる。
ゲーテは本当に自分の求婚が実ると思っていたのだろうか。相手が夫人だったら実ったかもしれないが。夫人も、それを待ち受けていたふしがあるらしい。
たくさんの詩や小説を書いて、官職の仕事をこなし、イタリア旅行にも行って、石の蒐集に凝って、骨を研究し、盛んに山にも登ったゲーテだけど、常識を外れたともいえる、若い女性への気持ちを全然隠そうともしなかったバイタリティには尊敬の念を覚えるね。
拒否されることがほとんどだろうが、中年以降の男の魅力は、限りない包容力と許容力と優しさと、後は、とにかく金だと思う。関係ないけど、俺も歳の差27だぁ。
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