【洋画】「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
今年公開のシリーズ7作目、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One)」(クリストファー・マッカリー監督)。2部作の1作目。
もう61歳になるトム・クルーズが、スタントマンやCGなどを使わずに、走って、飛んで、乗って、と全てをなるべく自分で演じてるらしい。
彼の全力疾走はとても60代とは思えないね。しかし、向こうの俳優って老けるのが早いね。
円熟のユーモアというか、若かったら、もっと早く処理できたのに、と思わせるようなシーンがあったりして、笑っちゃうことも多かった。さらに、ちょっと「ルパン三世」を思わせるところもあって、意識してるのかな?
今回の敵は、エンティティという“AI”。
なんか、デジタルのAIに対抗するには、アナログで、あとは人間の肉体を限界まで使うしかないだろうとトム・クルーズや監督がアピールしてるようにも思えたね。
AIのエンティティは、当然人間がプログラムして作ったものだけど、コレが自ら意思を持って、人間が使うコンピュータなどを攻撃して、人間を撹乱させるのだ。
このAIを開発したのがロシアというのが、逆に、今のアメリカの覇権主義を表しているように思う。
そして、イーサン・ハントのIMFメンバーが、エンティティを制御可能とする2つの鍵を追跡して見つけ出すというのが第1部のストーリー。
AIが意思を持って、世界各国の主要な防衛、情報、金融ネットワークに入り込み、操るようになるという話(確か007にもあった)は昔からあるけど、将来的に、そういうことも実際に起こり得るのだろうか?
人間の代わりに考えてくれて、人間がさらに快適で楽ができて、かつ効率的になるように、人間の先を行くのがAIだとしたら、確かに起こり得るのかもしれない。
時代が進むと、人間は身体を使わずに済むようになって、ますます衰えるしかないかもしれない。残るは欲と争い、つまり肉体を使う戦争だけが人間の存在を証明する唯一のものになったりして。
この映画で、トム・クルーズが、老体に鞭打って、あくまでアナログ的に肉体を使って事を解決しようとするのも、人間そのものの価値へのアピールに思える。
「ちょっと待て。どうするか考えるから」というセリフが頻繁に出て来るのも、人間本来の思考能力に期待してるからであろう。
考えれば、空恐ろしいね。