【古典洋画】「不良少女モニカ」

スウェーデンの名匠、イングマール・ベルイマン監督の、1953年の作品「不良少女モニカ(Sommaren med Monika)」。Amazonプライムにて。

モニカを演じたハリエット・アンデルセンのデビュー作で、当時は多分物議を醸したであろう、彼女のオールヌード(背面だけど)が出てくる。カワイイのかブチャイクなのかハッキリとしない顔で、男に甘えてみたり、ヒスを起こして絶叫したり、尊大でクソ生意気だったり、置かれた環境によってコロコロ表情が変わるのはさすがだ。長写しする北欧ストックホルムの雄大な自然と戯れる小悪魔といった感じ。

ストックホルムでアルバイトをする18歳の若者ハリーは、カフェで17歳の少女モニカと知り合った。恵まれない環境で育った2人はすぐに意気投合して接近。夏のある日、寝坊して遅刻し仕事をクビになったハリーと、酔った父に殴られて家を飛び出したモニカは、夏の間、ハリーの父が持つモーターボートの中で暮らすことにする。
束縛するものがない自由な2人は、トラブルもあったが、蜜月の、奔放な時を過ごす。そのうち食料も底を付いて、モニカは妊娠がわかり、2人は幸福な結婚を夢見て帰ることに。ストックホルムに帰った2人はハリーの伯母の世話で結婚式を挙げて、モニカは女の子を産んだ。ハリーは、家庭のために工場で真面目に働き始めるが、一方のモニカは…。

2人でモーターボートで生活してた時から、モニカは、ハリーの内気で臆病な態度にイライラすることがあったが、案の定、赤ちゃんが産まれてから、2人は相容れなくなってくる。モニカは、泣く赤子をほったらかしにして、服も買えないという貧乏で質素な暮らしに我慢ができずに、以前の不良仲間の男を部屋に招き入れる。このことが決定打となりモニカは飛び出して行方不明に。ハリーは赤子を独りで育てることを決心する。

そもそも、真面目で内気なハリーと、奔放な性格のモニカは合わなかったのだ。若過ぎる男女の稚拙な一時の情熱。特にモニカは結婚並びに子供を持つことには絶対に向かないことがわかる。

ベルイマン監督らしい皮肉の効いた刹那的な恋愛劇だな。

2人があくびをする場面が頻繁に出て来るが、退屈を表しているのだろうか?


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。