【邦画】「水のないプール」
久しぶりに観たアブナイ邦画「水のないプール」(1982年)。Amazonプライムにて。
若松孝二監督で内田裕也の主演。
突然ブチ切れるような内田裕也の危うさがイイ。
本当にあった犯罪事件に着想を得ており、深夜、日中に目をつけた若い女のアパート等に行って、窓の隙間から注射器でクロロホルムを注入し、部屋の女が完全に意識を失った後、侵入して暴行、やりたい放題やる地下鉄職員の中年男の話だ。
駅の改札で切符切り(今は自動改札)をしており、大人しくて無口だけど、日常に退屈しており、ストレスを溜めて、突然突飛な行動を起こしたりする内田裕也演じる妻と2人の子供もいる中年男。
ある日、暴漢に襲われそうになってた女(ピンクレディのMIE)を助けたことをキッカケに、女をクロロホルムで眠らせた後、暴行することを思い付く。
卑劣な性犯罪だけど、一回成功すれば、調子に乗って再犯を繰り返し、女が起きた時のために、料理や洗濯、掃除をしたりする。複数の女がいれば、全員を裸にしてパーティをする。
結局、男も寝てしまって、朝方、起きた女が驚いて御用となるわけだが(結局、女は告訴を取り下げるが)、中年男が持つ日常に潜む欲と狂気を、私生活も狂気であることが多かった内田裕也が、あのキャラで見事に演じている。
普段は社会性や道徳、倫理観で抑えてはいるものの、頭の中は妄想でグチャグチャ、隠された部分をふと目にすることになって、欲に抗えなくなり歯止めが効かなくなることは、男だったら誰しもその危険性・犯罪性をわかっていることだろう。
なぜ「水のないプール」なのかはわからないが、確かにシャボン玉を吹く女とプールでウロウロするシーンはある。
鬼籍に入った人が多いが、沢田研二や安岡力也、タモリ、原田芳雄、赤塚不二夫もチラッと出てくる。また暴行される中村れい子がとてもエロい。
今じゃ絶対に作れないだろう。
エロスの他は、何かハッキリとしない、言葉に表せないものが残る映画で、昭和のATGみたいだけど、そもそもエロスは衝動だけで正体不明の不確かなものなのである。
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