「ヒエロニムス・ボスの世界」

昔、「幻想文学」か何かで知った16世紀のオランダ・ルネッサンス期の画家、ヒエロニムス・ボス。

現在、残ってる作品は30点ほど。

基本、聖書を元にした宗教画だけど、全体的に暗くて(自然を描いた作品も重くて暗い)、奇怪な、恐ろしいイメージの作品が多い。

いくつかのパネルから成るデカい続き物の作品が多くて、エデンの園でも、地獄でも、罪でも、人間が卵の殻に入ってたり、人間を食って出してる怪鳥だったり、顔のない生物だったり、複数の手脚を持つ生き物だったり、異様な、狂った妄想の世界のモノが隅に描かれたりしてる。

人間の顔も、能面のような無表情の中に、眼、眉、口元だけに意志を表してるような、気持ちの悪いものが多い。

ナンジャコリャ?ってなもんだけど、人間と動物、物との融合やサディスティックな地獄の責め苦の様などは、上流階級の宗教画家であり、地元の名士でもあったボス自身の抑えつけられたエロチックな欲望や妄想が表れてるんじゃないかと思うな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。