【洋画】「E.T.」
バアさんが昔、親父と映画館で観た唯一の映画、スティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.(E.T. The Extra-Terrestrial)」(1982年、アメリカ)。
図書館にあったから、今更だけど、初めて通して観た。
ストーリーは言わずもがなで、地球に取り残された地球外生命体(E.T.)と、人間の少年エリオットの交流のお話。表向きは(と思う)。
スピルバーグの映画って、家庭に問題がある(特に母親との関係)キャラがたくさん出て来るけど、コレも母親は、父親と別居したばかりで、まだ悲しみは癒えずにエリオットの一言で涙を流したりしてる。
エリオットがE.T.と親しくなって秘密裡に家に来るけど、時々、E.T.は子供たちが慕う母親という存在が気になって覗き見したりしている。
E.T.がエリオットと森に行って自分の星に電波を送った後、行方不明になって、河の近くで真っ白になって死にかけるが、E.T.が初めて母親と接した時、覚えたての言葉で「ママァ」と声を出して、手を伸ばそうとするが、母親はビックリして唖然とするばかりで、そそくさと部屋を出て行ってしまう。
この辺に、やっぱり、幼少期に両親が離婚したというスピルバーグの母親に対する想いや、その逆の憎しみが、E.T.を通して如実に現れているんじゃないかと思った。
地球外生命体とはいえ、あんなにE.T.が醜いバケモノのようなキャラであるのも、トンデモなく醜いが故に美しい母に近付いてももらえない哀しみという意味があるのかもしれない。
一方で、自分の星に帰るために円盤が現れた時のE.T.の喜びとエリオットの引きずらない前向きな姿勢も、母親からの独立を表しているようで感慨深いものがあった。
多分、こういうことはたくさん論じられてるだろうな。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。