【古典映画】「愛染かつら」
第二次大戦前、1938(昭和13)年の古典映画「愛染(アイゼン)かつら」(野村浩将監督)。
コレが昭和初期に大ヒットしたメロドラマかぁ。納得。
原作は川口松太郎の小説。尾崎紅葉の「金色夜叉」とカンチガイしてた(笑)。
「花も嵐も踏み越えて〜♪」という唄は聴いたことがある。
主演は、田中絹代と上原謙。早くに夫を亡くし幼子を抱える、今でいうシングルマザーの看護婦と、病院長の息子である青年医師の、身分違いの恋愛劇だ。
娘がいるために身を引こうとする看護婦と、縁談を断っても彼女を追いかける青年医師の、もどかしい“すれ違い”の妙。メロドラマはこうでなきゃね。
古い映画でも、テンポ良過ぎる性急なストーリー展開だけど、いくつかの編をまとめたものらしい。
でも、ラスト、ひょんなことからプロとして歌うことになった元看護婦の楽屋に、青年医師が現れて、「お互いに誤解があった。全てを白紙に戻して一から始めませんか?」とプロポーズのように問いかけるが、元看護婦の返事がないままに終了となるのは不満だなぁ。元看護婦は、ただ青年医師の瞳を見つめるだけだが。
上原謙ってスゴいイケメンだったんだなぁ。田中絹代はおたふく顔でカワイイ。
娘が看護婦を「ママちゃん」と呼んだり、婦長が、「きっとですよ!きっとですよ!きっとですよ!きっとですよ!」と繰り返して念を押すのは、もしかしたら、当時、流行ったんぢゃないか?田中絹代の唄もヒットしたろうな。
愛染かつらは、縁結びのカツラの巨木のこと。
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