「東京オリンピック」
俺様がこの世に御生誕となった1964(昭和39)年の10月10〜24日に開催された「第18回東京オリンピック」の公式記録映画(1965年)。総監督は市川崑。
幼い頃から肉体へのコンプレックスがあるせいか、スポーツといったものに、あまり興味が持てない俺でも、選手らの躍動する、鍛えられた肉体を観てるのは、意外と面白かった。2時間超の長丁場だけど。
それだけ市川崑監督の印象に残る撮り方が興味をそそるものであったのだろう。
オリンピックの記録映画といえば、レニ・リーフェンシュタール監督の、ナチ時代のベルリン・オリンピックを撮った「オリンピア」、“民族の祭典”と“美の祭典”が、俺には素晴らしかったけど、市川崑監督もなかなかのもので、公開当時、“記録か芸術か”という論争もあったというが、人間の肉体を材料に監督独自の表現芸術を創り上げていると思う。失敗作との評価もあるが。
国を挙げての世界的なイベントにおける参加選手を1人の人間として捉えて、観る者に、選手の努力や苦悩、葛藤、諦め、絶望を想像させるような描き方をしている。
靴が地面と擦れる音、バーに手脚が当たる音、器具の軋み、息遣い、呻き声などの雑音も、シッカリと強調して捉えており、そこに人間の生の躍動が感じて取れる。
独立したばかりの小国の選手にスポットを当てるなど、市川監督なりの政治的視点も忘れない。アメリカとソ連の選手は大人数だけど、負けたら国に帰ってからいろいろあったんじゃと思わせる。
東洋の魔女も、自殺した円谷幸吉も、重量挙げの三宅義信も(彼が挙げた時に俺が産まれたといわれたが…)、体操の遠藤幸雄の活躍も観れるし、ヒロヒト天皇の開会宣言、観客の長嶋や王もチラッと映る。確か三島由紀夫も観戦記を書いてる。
映ってる大人の観客も半分は、すでに鬼籍に入ってるんだろうなぁ。俺もジジイとなったし。東京の古い風景も見所がある。
「夜 聖火は太陽へ帰った 人類は4年ごとに夢をみる この創られた平和を夢で終わらせていいのであろうか」
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