【古典洋画】「パルムの僧院」
コレもスタンダールの文芸大作「パルムの僧院(La Chartreuse de Parme)」(1948年、仏・伊、クリスチャン=ジャック監督)。Amazonプライムにて。
内容は忘れてたけど、19世紀初頭、愛に生きる1人の青年の波乱に満ちた半生を描く。
「赤と黒」と同じく、主人公のファブリスは美青年(同じジェラール・フィリップ)だから、やっぱり女たちの目を引く。
美青年と宮廷の女たちの心理を描いた恋愛悲劇は、スタンダールの小説世界の理想だったのだろうか。
ワーテルローの戦いが終わり、パルム公国へ戻ってきたファブリス。
彼の叔母で、公国の総理大臣の愛人となってるジーナ夫人は、密かにファブリスを想っており、彼を公国の宮廷で出世させようと画策するも、総理大臣をはじめ、宮廷の男たちの嫉妬で上手くいかない。
ファブリスは、宮廷のある婦人と不倫の関係に陥るが、逃避行の途中で、婦人の夫と決闘をして、その夫を殺してしまう。
そして、城砦の塔に幽閉される。
塔の小さな窓から、眼下に監獄長官の娘クレリヤが庭で小鳥と花の世話をしているのを見て、彼女に恋をしてしまう。
ファブリスは裁判で20年の禁固刑を言い渡されるが、ファブリスとクレリヤは愛し合うようになる…。
まるでハーレクイン・ロマンスのような話だ(笑)。
ファブリスも、キレイな女性と見れば、すぐにアクションをかける。幽閉された狭い空間でも、眼下に女性を見つけて、すぐにキスを投げるから、よっぽどの女好きだな。
結局、ジーナ夫人の画策で城砦を脱走するが、ちょうどフランス革命のように一斉に市民が立ち上がり、宮廷を占拠、城砦も解放される。バスチーユ牢獄みたいになった。
革命とは無関係のところで、婚約が決まってるのにクレリヤをシツコく追いかけるファブリス。
ジーナ夫人も、革命のゴタゴタに乗じて公国を逃げ出すし、結婚するクレリヤも彼とは会わないし、全ての愛を失ったファブリスは独りパルムの僧院に戻るのだ。
当時は社会も大きく違うけど、愛は燃え上がれば燃え上がるほど、結果は実らないことが多いね。そして、燃え上がった愛は反道徳的・社会的とされてしまうことが多い。愛に躊躇なく命をかけることができた時代が羨ましくもあるね。人間の、社会の基本は男女の関係であるから、芸術などの表現になってるわけだし。
やはり後世に残る文芸作品は残るだけの理由がある。素晴らしい。
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