【映画】「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」
押井守監督のアニメ映画「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」。
1984年の公開で昔観たと思うけど、一部でカルト作品化されてると知ったので。
基本、ご存知、ラムちゃんと諸星あたるを中心としたドタバタ学園アニメだけど、原作者の高橋留美子氏が否定的で「この作品は私の“うる星やつら”ではない」と認めてないらしいから、再度、観たくなった。原作者が「これは押井さんの“うる星やつら”」と言う通り、押井ワールド全開作品(あまり知らんけど 笑)だと思う。
ラム達が通う高校は学園祭の準備で大騒ぎ。
お馴染みのメンバー達は連日、泊まり込みで準備をしていた。
夜が明けて担任教師は疲れからかノイローゼを患い、保険医から薬をもらうが、彼は時間の感覚が狂っており、「学園祭の前日」が果てしなく繰り返されていることに気付く。
生徒たちは強制的に帰宅させられるが、ラムとあたる以外は全員が学校の前に戻ってきてしまう。
実はラムとあたる以外の友達らは同じ日を延々と繰り返していたのだ…。
ラム達がいる町だけが異空間となっており、そこで虚構と現実が入り乱れる。実はそれはラムの望む夢の中の世界であった…というフィリップ・K・ディックの世界にも出てきそうな、浦島太郎的な押井ワールド。←ナンノコッチャ
いつもの「うる星やつら」のドタバタのコメディベースではあるが、キャラに感情移入して、観てる方も不思議な出来事に惑わされてしまうアナーキーな流れは流石だ。
結局のところ、“夢邪鬼”というコテコテの大阪弁オッサンキャラ怪物がラムのために作った夢の世界だけど、夢だから、それを望む本人以外には奇怪な世界で、脆く、すぐにでも崩壊してしまう。しかし、夢だから何度でもやり直しが利く。誰しも、自分の作り出す現実と何の違いもない楽しい夢の世界で思い通りに暮らす方が良いと考えるだろう。叶わぬ別の世界で生きるというメタ認知さえも超えた世界、考えてみれば怖いものだ。
あたるがラムのことをハッキリと愛してると言ったり、ラムにキスしようとしたりするシーンが高橋留美子先生は気に入らなかったのだろうか。
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