「震える舌」
一昨年のFBより。
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図書館で見つけ、「八つ墓村」の野村芳太郎監督だから観た「震える舌」(80年)。途中まで観てて、これは「エクソシスト」だと思った。悪霊なんてトンデモな非現実的なものじゃなく、破傷風菌という極現実的な要因によるものだ。
病気の子供と家族の葛藤を描く医療ドラマだけど、野村監督はホラー映画みたいに仕立てたようだ。破傷風菌に侵され、自分で舌を噛んで血だらけになった口のアップや痙攣で身体が仰け反った姿、あああああとイミフな声をあげて悶えるところなど、まるで悪魔に取り憑かれた少女リーガンじゃないか。でも、病気に苦しむ子供ってかわいそうでツライよ。
徹夜の看護疲れで精神的に追い込まれ、憔悴しきって目にクマを作っておかしな言動を繰り返すようになり、自分らも感染を疑い、挙げ句の果てには、病床で「なぜ娘を苦しめる?なぜ毒素を出すんだ?お前らも生きてるんだろ?」と破傷風菌に話しかける両親なんて、野村監督らしいけど、ちょっと表現が極端過ぎやしないかと思うよ。
両親の前で、感情に流されることなく淡々と処置を施していく医者と看護婦が、その対比でさらに両親の狂気を際立たせている。
光や音で発作が起きるので、半分くらいはずっと暗い中だったが、ラストは回復に向かい、明るい中で笑いに包まれて大団円となってホッとした。
中野良子演じる清楚な感じの女医さんが一服の清涼剤だなぁ。そういや「八つ墓村」でもそんな感じで中野良子を使ってたなぁ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。