【古典邦画】「今年の恋」

木下惠介監督の、1962(昭和37)年の作品「今年の恋」。

岡田茉莉子と吉田輝雄をメインに、デビューしたばかりの若き田村正和が出演している。

銀座の老舗小料理屋の看板娘(岡田茉莉子)と、エリート大学院生(吉田輝雄)が、弟の問題を通して惹かれ合うというラブ・ストーリー。

軽快な感じのコメディなのだが、当初、いがみ合って、大学院生がたじろぐほど、テンポ良く、早口でまくし立てる岡田茉莉子がカワイイのなんのって。彼女の言葉にケタケタ笑ってしまった。洋装も着物もよく似合うし。

若い美女と美男は、何をやっても絵になるなぁ。

2人とも不肖の弟(1人が田村正和)がいて、弟のことが心配でならないのだが、そのために、お互いに、不良の友達と付き合わないでほしい、とケンカを始めるのだ。

ばあや役のいちいちうるさい東山千栄子や、娘に「アホ!」と怒鳴られる、とぼけた父親役の三遊亭圓遊も、メッチャ良い味出してる。

木下監督も、こうした平和な人情ホームドラマ的コメディを作るんだと感心した。

ラスト、大晦日の夜に寺院で除夜の鐘を叩くふたりの姿は微笑ましい。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。