【映画】「ロード・オブ・カオス」
うぉぉぉぉ、ついに観たぜ!「ロード・オブ・カオス(Lords of Chaos)」(2018年、イギリス・スウェーデン・ノルウェー合作、ジョナス・アカーランド監督← 「Bathory」のドラマー)。
前からトンデモなく観たかった一本。ノルウェーのブラックメタル(反キリストの悪魔主義ヘビーメタル)・バンド、メイヘム(Mayhem)のメンバーを中心とした様々な狂気・狂乱の出来事を時系列に追ったものだ。原作は同名の本。
ブラックメタルは、俺もディスクユニオンでかなりCDを入手して聴いてきた。そこから派生したデプレッシブ、ナショナル・ソーシャリスト、ペイガン、シンフォニック、インダストリアルまで追っかけてた。当然、時折、今も聴いている。
メイヘムはシーンの中核的存在で、映画にも描かれているトンデモない出来事を知って、カウント・グリシュナックのバーズム(Bruzm)と共に、俺の中ではある種、伝説化していた。
映画は、メイヘムのリーダー、ユーロニモスを中心にメイヘムの黎明期(80〜90年代)から始まる。
うつ病で希死念慮に取り憑かれていたボーカルのデッドの自殺、その、頭を猟銃で吹っ飛ばした写真を撮ってアルバムのジャケットに使用(←持ってた)と、頭蓋骨でネックレスを作る、カウント他仲間とあちこちの教会を放火、言い寄ってきたゲイの男をメッタ刺しして刺殺、そして、ユーロニモスとカウントの確執からカウントがユーロニモスをメッタ刺しして刺殺…。
当時、メイヘムと周辺の仲間たちはインナー・サークルを作ってて、悪魔主義に則って、如何に“邪悪”なことができるかを競っていたのだ。
ユーロニモスを刺殺したカウント・グリシュナックはその後、北欧神話を信じる民族主義とナショナリズム、ナチズム、レイシズムに傾倒していく(←彼のアルバムは全部持ってた)。
ユーロニモスの視点から、バンドが注目されて、“邪悪”なことをせざるを得ない雰囲気に呑まれて、実際に犯罪に手を染めていく様子が描かれている。もう戻るに戻れなくなってしまったのだ。過激な行動がエスカレートして次第に制御不能に陥っていく若者たちの暴走とその成れの果ての記録だ。
ガールフレンドに諭されて、髪を切ってメイヘムを一からやり直そうとした矢先に、カウントに刺殺されてしまうが。
ブラックメタル・シーンで注目を浴びたい欲、主導権争いとアルバムやレコードショップを巡る金銭トラブルから、いとも簡単に、まるで悪魔が乗り移ったかのようにカルト化していく様は、人間の“業”のようで、やはり俺にとっては興味深い。これぞホントのサタニズムだね。
この映画は、ブラックメタル・シーンを知らないとわからないかもしれない。映画の出来不出来よりも、当時の出来事に多大な興味があった俺にはとても面白かった。
ただ、ユーロニモスは良いとして、カウント・グリシュナックは、実際はもっとスリムでイケメンだったけど、映画の彼はポッチャリ体型。これはミスキャストじゃないのかい。
18禁だから、女の子とヤってるところや刺殺の場面は大きなボカシが入ってるのも不満だ。
また、メイヘム、バーズム、エンペラー、ダークスローン…を聴いてやろう。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。