【映画】「ダーク・ハーフ」
去年観たのだけど、93年の米ホラー「ダーク・ハーフ(The Dark Half)」。
スティーブン・キングの小説が原作で、ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロが監督とくれば期待せずにはいられなかった。が、ヒッチコックの「鳥」(しかも雀!)を想起させるけど、ロメロにしてはおとなしめの作品だった。
大衆ウケするバイオレンス犯罪小説をペンネームで書いてた売れない純文学作家が、マスコミに露見したのをきっかけにペンネームを捨てることを決心するが、捨てたはずのペンネームで書いてた小説のキャラが実体となって蘇り、関係者を襲い殺していくというお話だ。
売れっ子作家になった後にペンネームを使ってたことがバレたというのはキングの実体験らしい。
雀の大群の大襲来はなかなかの迫力。しかし、この雀が小説のキャラとどういう関係にあるのかがイマイチ、ハッキリとしない。霊魂の導き手らしいけど。
売れない作家を演じた俳優が、殺人鬼のキャラも演じ分けてる流れで、ゾンビのようなメイクも血糊も雰囲気はあるけど、今観るとちゃっちく見えちゃうね。致し方なし。
多重人格をテーマにしたサイコミステリーのようでもあるけどね。
ペンネームで書いたキャラが現実化するという突拍子もないキングのアイデアだけど、実は作家は元々双子で、胎内で片方に吸収されて一人となって産まれた存在で、片方の残骸が腫瘍となって脳内に残ってたのだ。実際にこういうケースはあるらしい。
実は、その片割れが脳内で別人格として現れて作家としての才能を開花させてたという伏線。人間には誰しも暴力・破壊衝動を持つ側面があるわけだが、もしかしたら、知らない双子の相手がいて自分に吸収されてたとしたら…。そういうサイコ的テーマは興味深いね。
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