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「ビッグ・リボウスキ」

ジョエルとイーサンのコーエン兄弟が製作した「ビッグ・リボウスキ(The Big Lebowski)」(98年・米、監督はジョエル)。

どこかでカルト・ムーヴィーとして挙げられたけど、最後のシーンまで面白くて感心した素晴らしい映画だった。

最初からふざけたコメディというわけじゃなくて、マジメにセンス良く、クールに作ってる中でも、溢れ出たシニカルな笑いといったところか。

“リボウスキ”という同姓同名の大富豪と間違えられ、その大富豪の妻の誘拐事件に巻き込まれていく、チャールズ・マンソン風のヒッピー男デュードの騒動を描く。

主人公のデュードことジェフリー・リボウスキは、目的も欲もない、ロス一番だらしないといわれるくらいの無精者。でも、親友である元ベトナム戦争退役軍人のウォルターらとチームを組んで、ボーリング大会に参加している。

あまりにもだらしなさ過ぎてトラブルを呼び込んでしまう主人公には、定番として、横にすぐにブチ切れるデブの友人が付いてるものだが、ウォルターがそうで、2人の掛け合いがめっちゃ面白い。日本語訳だけど。全編に渡って“FUCK”連発、知性ゼロの典型的トラッシュ白人だ。←最も多くFUCKが使われた映画29位だって。

それでも最後は喧嘩の相手を気遣う優しさを見せるし、罵り合っても一緒にいるし、信仰心が厚かったり、バカさ加減もどこか憎めなくてホッとする。コレが俺らが夢見たアメリカンなんだ(笑)。

カルトといえば、中盤で突然出てくるボーリングを使った夢想のようなシーン。デュードがボウルになって並んだ女の脚の間をニヤニヤしながら潜り抜けたり、腐った人生の果てに出て来る突き抜けた笑いのような不条理感を感じてまたよろし。

突然にヌードでぶら下がって飛んでくる前衛芸術家の女など、次々と“変”なキャラの人間を登場させるコーエン兄弟のセンスに脱帽する。

人生は不条理に満ちた、笑うしかない展開に翻弄されることが多々あるけど、結局、生きてれば全てが勝ちだ。怖いものはない。コレに尽きるね。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。