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「この子の七つのお祝いに」
岸田今日子が、薄い布団からソッと顔を出し、不気味な微笑みを浮かべ、ギョロッとした目で夫を睨みながら、「ちゃんと知ってるのよ」と呟くシーンが、身震いするほど怖くて、ちょいトラウマになってたこの映画。今観るとあまり面白くなかったなぁ。
角川春樹製作の「この子の七つのお祝いに」(82年)。原作はミステリー大賞受賞作だ。監督は、三島先生主演の「からっ風野郎」を撮った増村保造だったなんて。
冒頭の、岸田今日子の演技が不気味過ぎる、チョー怖過ぎるよ。顔をこちらに向けて口角だけを上げて笑みを浮かべながら、瞬きもせずにギョロ目で凝視しつつ、ゆっくりとした口調で恨み言を話す…うわぁ、スゲ〜。部屋に並んでる日本人形もそれに輪を掛けている。
「マヤ、お父さんを憎むのよ。憎んで恨んで仕返しをするの。決して許しちゃダメよ」って、毎日毎日、囁いてれば、そりゃ幼い娘は精神を病むよね。お父さんへの憎しみを忘れないためにと火鉢棒を頰に当てて火傷の痕を付けるなんて幼児虐待だよ。
また、その大きくなった娘の、岩下志麻の演技が過剰過ぎてシラけるよ。いくら若い頃とはいえ、彼女のセーラー服姿はないっしょ。
映画というより、底の浅い2時間サスペンスドラマを見てる感じ。終わり方も中途半端だし。
これも一応戦争が産んだ悲劇なんだな。
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