【洋画】「DOGMAN ドッグマン」
好きなリュック・ベッソン監督の、2023年のフランス映画「DOGMAN ドッグマン(Dogman / DogMan)」。Amazonプライムにて。
主人公は、ボロボロになった女性だと思ったら、トランスベスタイトだったのね。
狂信的なキリスト教徒の父親と兄に、犬の檻に閉じ込められるなど虐待を受けた少年ダグラス・マンローが、犬たちと心を通わせるようになるが、警察に救出された時は、父親の発砲によって下半身付随に。
障害のために定職に就けずに、犬たちと廃屋で暮らしていたが、ある日、キャバレーで女装して歌ったら大ウケ、ステージに立つようになる。
彼は夜な夜な、犬たちを使って、世間に復讐するように、金持ち連中からの窃盗を繰り返し、地元を支配するギャング団とも闘うことになる…。
ギャング団との闘いで負傷したマンローが、警察署で自らの半生をカウンセラーの黒人女性に告白する形で映画は進行する。
ベッソン監督らしく、異色のキャラクターを中心に、裏の世界の人間の細やかな心情や愛情、知性などを描いており、悪党であっても同情・共感しやすい演出はさすがである。まるでバットマンのジョーカーみたいだ。
スマートに事が運ばないところも人間味を増す材料となっている。
身内をはじめ人間に愛されなかった代わりに、犬に深く愛されるマンローは全てを見通しているようであっても、どこか深い悲しみを抱えているから、感情移入してしまう。
ベッソン監督の、底辺の人間を見る目はとても優しい。良い映画だった。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。