【イラン映画】「トラベラー」
好きなアッバス・キアロスタミ監督の、初期の作品「トラベラー(The Traveller)」(1974年・イラン)。Amazonプライムにて。
主人公の10歳の少年は、テヘランで開催されるサッカー・イラン代表の試合を観戦したいと熱望している。そのために、先生に怒られても、勉強そっちのけで、友人や同級生、大人を欺き、なんとか金を集める。そして、そっと家を出て、夜行バスでテヘランのスタジアムに行くが…。
サッカーの試合見たさに、後先考えずに、嘘を付いたり、騙したり、悪いことでも手を出して、トラブルに見舞われつつも、なんとか観戦席を確保するが、試合開始までまだ3時間もあった。
暇を持て余した少年は、スタジアム周辺をブラブラ、大人たちが休んでる芝生に行くと、自分もホッとしたのか、横になって眠りこけてしまう。
ハッと気付くと、辺りは閑散としてて、すでに試合は終わっていたのだった。
まさに因果応報、目的を果たすために悪いことをした少年に結局、大好きな試合は見せないというキアロスタミ監督の教育的良心を感じる。少年は相当、落ち込んだだろうけど、遠くからのショットで表情は見せない。
単純な話の小品だけど、キアロスタミ監督の力量でサスペンス・ドラマを観てるようであった。






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