【洋画】「デコーダー」
1984年の西ドイツ(当時)の作品「デコーダー(Decoder)」。監督はMUSCHA(ムシャ)。
好き者の間ではカルト・伝説化されてた、このインディーズ・フィルム。サントラ・アルバムは持ってたけど、これまで観ることはなかった。日本語字幕なしだけど、YouTubeにアップされてて大興奮。
80年代に隆盛を極めたノイエ・ドイチェ・ヴェレ(Neue Deutsche Welle)のインディーズ(アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン一派)のために作られたフィルムだと思う。ノイバウテンからFM・アインハイトが主演。
彼が、現代の管理社会を混乱させるために、あるノイズ・テープを創ろうとしている。
恋人のモヒカン娘、クリスチーネ・Fは、それを面白く思ってない。
社会を管理する側のメンバーであるビル・ライスは、覗き部屋で働くクリスチーネ・Fに夢中になってる。
FM・アインハイトは、テープ製作のパーツを売るウイリアム・バロウズや、謎の教祖、ジェネシス・P・オリッジらの啓示を受ける。
FM・アインハイトは、遂にテープを完成させて、アメリカ資本であるマクドナルドやバーガーキングで、テープを設置してノイズを流す。
すると、街の至る所で暴動が起きる…といったストーリーだ。
当時のニュース映像などを使った、めちゃくちゃチープなインディーズ・フィルムだけど、不快に響くノイズ・ミュージックや、ソフト・セルのエロチックな音楽、バロウズのカットアップ映像、ブルー系のライティング、当時のコンピュータのゲーム画像、象徴的に使われるグロテスクなカエルなど、コレらの先鋭的な材料と人物が揃ってて、俺は当時のことを思い出しつつ、エキサイトして懐かしく観たね。
80年代において、すでに、全てが情報データ化される人間性と、逆に、情報データ化された物が人間性を帯びて来る現象、システム化に抵抗する不協和音、つまりノイズの有効性などを描いている。
当時の、東西ドイツの狭間で抑え付けられる人間性に対し、ベルリン・クロイツベルクのように、自由でアナーキーなアートが抗うように起こったという背景もあったんじゃないだろうか。
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