ステキな彼女
残業を終えて周りを見渡すと、誰もいないと思っていたオフィスには彼女が残っていた。
あまり気にしたこともない彼女だが、2人でオフィスを出ることになった。
一階の玄関を出ると、そこは、横を透き通った小川が流れている、風情のある細い小道があり、彼女と2人並んで歩く。
彼女の半透明のバッグからリップとコロンが見える。
俺は急に彼女に女らしさを感じる。
気付かれないように、彼女の横顔を見る。
俯き加減に前を見ているクリッとした小動物のような目、ちょっと上気したような薄赤い頬、グロスを塗ったように濡れて見える赤い唇…全てが俺のために用意されたように思えて、俺はつい、「せっかくだから飯食っていかない?」という。
彼女はニコッと顔を緩ませてこちらを見ると、「うん」と頷く…。
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