【洋画】「アウト・オブ・ブルー」
デニス・ホッパーが監督した伝説のカルト・ムーヴィー「アウト・オブ・ブルー(Out of the Blue)」(1980年、カナダ)を、なんとYouTubeで観ることができたぜ!
ホッパーらしい、破滅への道をひた走る、興奮モノの凄まじい“パンク”ムーヴィーだった。ホッパー監督作品3作目だ。
ニール・ヤングの、めっちゃ素晴らしい曲「Hey Hey My My」がBGMによく合う。
エルビスが神という15歳のパンク少女シービー(シンディ)が、劣悪な家庭環境の中、学校も放り出されて、徐々に破滅へと突き進んで行くまでを描いたもの。シービーを演じたのはリンダ・マンズという女優さん。既に故人。
ホッパーが親父役(ドン)で、大型トレーラーの運転手だったが、アル中で、酔っ払ってスクールバスに追突して子供達を死なせたことで服役中。
母親(キャシー)は、レストランのウェイトレスをしてるが、ドンの服役中、ヤク中になって、複数の男と不倫をしている。
既に、シービーの家庭は崩壊状態で、彼女も学校他で荒れている。
ホッパー監督の映画は、特別な説明もなしに状況を長々と映し出す面があるが、この映画も例外ではなく、シービーの悲惨な荒れた環境を長めに描いてて、観てる方は辛くなるばかり。こんな環境だったらパンク(日本だったらヤンキーだろうなぁ)になってもおかしくないと思わせる。
やがて、父親のドンが刑期を終えて出て来るが、スクールバス事故で子供を失った親から嫌がらせを受けて再就職先はクビになるし、さらに酒に溺れて、夫婦共にドラッグに手を出す始末。
シービーは、ちょっと男っぽい顔つきで、汚い言葉でケンカもするため、パンク・ファッションになったことで、全然女の子らしくはない。後でそうなった理由がわかるが。
母親キャシーも、レズビアンにしたくないとグチったことで、父親ドンが「女にしてやろう」とチンピラ仲間にシービーの輪姦をそそのかす。
結局、未遂には終わったが、シービーはそのことをキッカケに、親父とのおぞましい過去の記憶(父親に強姦された!?)が蘇り、父親をハサミで滅多刺しにして殺して、母親とは壊れたトレーラーの中に入って、ダイナマイトで母親もろとも爆死する…という悲惨な結末。
ホッパー監督らしい、未来も希望も全くない殺伐とした映画に仕上がってる。
コレもアメリカン・ニュー・シネマだと思うけど、ホッパーをはじめ、主な登場人物がイカれまくり、キレまくりで、悲惨も表現として極めると、スカッとして気持ちが良い(笑)。
娘シービーに、股間に顔を押し付けられて「好きだろ?臭うか?」と言われて、興奮したところをハサミで滅多刺しにされるホッパーの変態っぷりたら…。
凄まじいねぇ。だからデニス・ホッパーが大好きだ。
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