【映画】「エイリアン:コヴェナント」
リドリー・スコット監督の「エイリアン: コヴェナント(Alien: Covenant)」(2017・英米)。
エイリアン・シリーズもついにここまで来たかぁ。2012年公開の宗教っぽい映画「プロメテウス」の続編という位置付け。
すでに80を超えたリドリー・スコット監督のライフワークの集大成(「ブレードランナー」も)というか、聖書にある創世記と終末思想に、完璧な生命体であるエイリアンが絡んで、人間の存在自体を問うような内容になってる。
もしかするとキリスト教の世界観がわからないと監督の意図を理解するのが難しいかもしれないが、とにかくリドリー・スコット監督特有の映像美、宇宙から大陸の深い自然まで、が凄まじく素晴らしい。大きなスクリーンで体験したくなる。
これまでのエイリアン・シリーズでは“強い女”が主役だったけど、コレでは最終的に主役はデヴィッドとウォルターの2体のアンドロイドに移ったね。
人類の惑星移住計画で、2000人の人間と共に新たな移住先となる惑星オリガエ-6に向かう巨大宇宙船コヴェナント号。
宇宙船は最新型アンドロイド、ウォルターによって管理されていた。
ところが航行中、突如発生した衝撃波によって深刻なトラブルに見舞われる。
そして、その直後、謎の電波を受信する。
コヴェナント号は進路を変更して電波の発信元である惑星へと向かう。
調査隊が、その惑星に降りると、地球の環境に近いが、調査隊をエイリアンが襲う…。
エイリアンに襲われる調査隊の前に、かつてプロメテウス号に搭乗していた旧型アンドロイド、デヴィッドが姿を現す。
コヴェナント号に乗ってた新型アンドロイド、ウォルターと、このデヴィッドのやり取りがいろいろと示唆に富むのだが、聖書か、詩の一編を引用してて、よーく聞いてても???が多い。うーむ。「プロメテウス」との繋がりに重要なカギが隠されているようにも思える。
エイリアンってのは、元々、植物の胞子みたいで、人間の体内に入って生物として生成されることがわかった。シリーズ1みたくお腹を突き破って出て来たり、キーキー鳴きながらちょこまか動き回ったり、気持ち悪さは変わらずで安心したけど、なんか「ブレードランナー」のレプリカントと人間の関係のようになって来て、シリーズごとに段々と高次元の難解さを表すようになって「2001年宇宙の旅」のようになっていくんじゃねえだろうな。
行き着くところは、人智を超えた自然の力、つまり神と人間の存在を問うために完全生命体であるエイリアンが材料として使われているのだろうか?