【古典洋画】「第七の封印」

スウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン監督の、1957年の作品「第七の封印(The Seventh Seal)」。Amazonプライムにて。

昔、観たような気もするけど…。

中世の北欧を舞台に、十字軍の遠征を終えた騎士が、彼に死を宣告する“死神”に、死をかけたチェスでの勝負を挑む。騎士はチェスで勝てば死を免れることができる。騎士は、勝負を通して神の存在と信仰の意義を問う、といった内容だ。

ペストに蹂躙される祖国と、神に救いを求めて混乱する民衆を背景に、人間にとって神という存在を問うというのは、やはりキリスト教国の世界だ。

騎士は、妻が待つ城へと旅をするが、道中、家族をペストで失った少女や、盗みを働く聖職者、魔女として火焙りになる女、ペストの蔓延は神の天罰だとして自らをムチ打つ人々、若い旅芸人の一家、妻に浮気された鍛冶屋など、様々な人と出会う。

そして、要所要所で、死神とのチェスの勝負を続ける。

騎士は、若い夫婦と赤ちゃんの旅芸人一家らと同行して、一家を死神から守るために、死神とのチェスの勝負での負けを認める。

騎士は、荒れ果てた城で妻との再会を果たすが、そこに死神が現れて、そこにいた者全員の命を奪ってしまう。翌朝、若い旅芸人一家は、死神に連れられて“死の舞踏”を踊る騎士らを目撃する。

中世キリスト教の世界でムズいことも多いけど、どんなに神の存在を感じて信仰に身を委ねようとも、人間にとって、様々な要因による死は、確実にやって来るものであるということだ。

いわゆる無神論と、人間が主人公という実存主義をテーマとしたアート的作品だと思う。

赤ちゃんと若い夫婦の旅芸人一家に希望を託すというのも、幸福な時は、神は必要ないということだろう。死神🟰神だ。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。