「クライマーズ・ハイ」
今、横山秀夫氏の長編小説を読んでたんだが、読み終えるよりも先に映画を観ちゃった。原田眞人監督の「クライマーズ・ハイ(The Climber's High)」(2008年)。興味ある事件、日航機墜落事故が題材になってるからねー。
群馬の地方新聞社に勤める遊軍記者が主人公で、未曾有の事故で全権デスクを任された彼が、社長や上司、部下と丁々発止のやり取りをしながら、奮闘する様を描く。一方で谷川岳衝立岩への登攀に挑み、疎遠になってた息子との邂逅に至る。
新聞社の内実って、こんなにもスリリングで、鋭い緊張感と熱い情熱があって、時に怒号が飛び交い、殴り合い、スクープ一つに命もかける真剣勝負の世界なんだぁ、と感動するかもだが、新聞なんて読者にとっては結果が全てなんだよね。記事が全て。ネタを追いかける過程で、読者ウケ?のために嘘も捏造も憶測も生まれてくるわけだ。
今だったら、パワハラ、セクハラといわれそうな行為も全開で、日本的な、会社の体面を大事にする上と他社に先駆けてスクープをモノにしようとする下の記者、社内派閥の探り合い、それらのプライドが激しくぶつかり合う。まさにブン屋の世界だ。
俺は、ちょっとこういうのは苦手だけど、外からスクープを伝える電話が入り、それを確認するために別の記者を動かし、社内でも、校了を遅らせ、記事の差し替えを準備し、内密にことが進んで行くところなんて、ドキドキして目が離せないね。しかし、そんなにカッカしなくてもねぇ。
墜落現場の場面なんて、スゲーよくできてるけど、どこで撮ったのかね?早口で静かにブツブツ言ってるとこなんて、よく聞こえなくて、やっぱり字幕が必要になった。山崎務演じる社長の狂気もいつも通り。
仕事を通して自分の問題を反映し、何かを達成するとその問題も解決に向かう…日本映画ってこういうステュエーションが多いような気がする。それに、主人公のガニ股歩きが気になる(笑)。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。