「メタル脳」
ヘビーメタルが大好きな脳科学者の中野信子先生の著者。
アグレッシブでヘビーな音楽が、逆に怒りを緩和し、皮膚感覚を刺激して、幸せホルモン・オキシトシンを放出させ、認知機能が向上し、神経を研ぎ澄ます作用があることは、何かで読んで知ってた。
ヘビメタが万能だとは言わないけど、怒りや絶望、不安など、ネガティブな負の感情を素直に表現したものは、音楽に限らず、表現行為全般において、人間が誰しも持ってる反社会的攻撃性の代替えともなって、良い方向に作用するものであると、俺も思ってる。
例えば、失恋した時は失恋ソングを聴いた方が立ち直りは早いのだ。
ヘビーが行き過ぎて、ノイズまでになるとまたわからないけど。
テクノ、パンク、ニューウェーブから入った俺は、当初、ヘビメタは敬遠してたけど、パンクとヘビメタの融合みたいなことが起こって、徐々に聴くようになった。今ではジャンル分けすることなく、アグレッシブでヘビーな音楽は何でも聴いてるつもりだ。ヘビメタもさらに細かくジャンル分けされて、音もアンビエントからスラッシュ、デスグラインド、クラスト、デプレッシブ、ドゥーム、インダストリアル、シンフォニック、アバンギャルド、民族音楽、アニメ、反社会的、黒魔術的、レイシズム…等々、わけわからんくらい、いろんなバンドが登場している。
やっぱり自らの精神状態や裏の欲望など、とにかく負を表現してくれる音楽が良いな。
こういう音楽を好んで聴くのは、社会通念からするとマイノリティかもしれないけど、それは「反社会的」なのではなく「非社会的」であるとする中野信子先生の論は納得。ヘビメタを“色のついた音楽”と表現するのはさすがだ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。