「さらばアフリカ」
グァルティエロ・ヤコペッティ監督最後のドキュメンタリー「さらばアフリカ(AFRICA ADDIO)」(1966年)を鑑賞。
「世界残酷物語」シリーズと違って、テーマをアフリカだけに絞った作品。
基本、イギリス植民地支配からの独立を果たす現地人と、加えて欧米化が進むアフリカ、人間が狩猟する動物たちのレポートなのだが、多分、初見でもわかるであろうヤコペッティ監督お得意の“ヤラセ”が半分以上だと思う。
ザンジバルのアラブ人虐殺なんて大勢のエキストラを使った大掛かりなものだし、若い女の子が働く野生動物の保護団体の事務所なんてどう観てもフェイク…。
細かくネタばらしすればガッカリするかもしれないが、ラストの方に出てくる現地の凶悪犯罪者を傭兵が銃で撃って処刑するシーンはさすがにモノホンだということで、当時、ヤコペッティ監督は殺人教唆に当たるとして訴えられたという。証拠不十分でことなきを得たが。
それで、こういうスタイルの映画を撮ることがイヤになって、以降、ドキュメンタリーは封印したのだ。
やっぱり白人どもの、銃をバンバン撃つ意味のない動物狩りのシーンはゲンナリするね。現地人の狩りは納得がいくけど。
裸に近い伝統的な民族衣装でリズムに乗ったノリノリの踊りのシーンが終わったら、皆、パンツを履いてブラを着けて洋装に戻る…。ヤコペッティ監督のフェイク、ヤラセはこういうことかもしれないね。
「一番恐ろしい生物は人間だ」って言いながら、アフリカの現地人はまだまだ未開の人間であって、決して我々白人とは同じ人間ではないと言いたげな差別・搾取的な演出はいつも通りだねぇ。
…もうフェイクでも真実でもどーでもええがな!
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。