「悪魔のいる文学史」
池袋・要町の四畳半アパートに住んでた若い頃、ネクラな引きこもりになって、約1ヶ月で河出書房新社から出てた澁澤龍彦の文庫シリーズ全部を読破したことがある。
三島由紀夫に心酔する中で派生したのだが、当時は、澁澤の、人間の幻想的な暗黒面に焦点を当てた評論等がとても魅力的だった。青弓社の本で冷めたけど(笑)。
だから、コレも読んだけど、ペーパーバックとして小学館から出ててビックリした。
フランスを中心に、十数名の異端の作家たちを取り上げているが、俺が注目するのは、ピエール・フランソワ・ラスネールと、有名なサド侯爵、ザッヘル・マゾッホ、シャルル・クロス、アンドレ・ブルトンかな。
19世紀の作家ラスネールは、映画「天井桟敷の人々」にも登場するが、金を盗むため、感情的にならずに、冷静に、5人以上の人間を計画的に殺害している。獄中で書いた「回想録」が“殺人哲学”もあって面白い。当時は注目を集めて大人気だったらしい。
サド侯爵は昔、桃源社から出てた全集を幾つか読んだ。彼の性癖でバスチーユ牢獄(フランス革命で有名)や精神病院に幽閉されてた頃、妻とは別に、56歳も年下の18歳の女の子と恋愛(?)関係にあったとは。
女の子マドレーヌはサドの元に足繁く通い、世話をして、当然、肉体関係もあった。
サドは彼女のことをマメに日記に書いている。
彼女がサドの最後の恋の相手となった。
サドに比べれば、俺の27歳年下も許せるね(笑)。
マゾッホといえば、「毛皮のヴィーナス」だけど、俺は沼正三の「家畜人ヤプー」の方が好きだった。
社会の規範を大きく飛び越えた、無茶苦茶な作家がいっぱいで、めっちゃ面白い。
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