「絞殺魔」

「絞殺魔」(68年、The Boston Strangler)。

こういう映画はB級、C級、Z級であっても、必ず俺のアンテナに引っかかってくる(笑)。

有名な連続殺人者、アルバート・ヘンリー・デザルボが起こしたボストン絞殺魔事件の映画化である。デザルボは、一年半に渡り、高齢から未成年まで13人もの女性を絞殺し、当時のボストン市民を恐怖に陥れた。犯罪映画はお得意のリチャード・フライシャー監督だ。

画面が二つ、三つ、四つに分かれる実験的手法も織り交ぜながら、刑事がデザルボの人間性に迫っていく。捜査の過程で、いろんな異常者が出てきたり、捜査に協力する超能力者まで登場して(事実だけど)、なんかもっとちゃんと脚本を練った方がいいんじゃないと思うところもちょいちょいで未完成な感じがする。

映画では、デザルボが二重人格の精神異常みたいに描かれてるが、実際にはトンデモない異常性欲者で、妻に一日6回も7回も関係を迫るくらいであった。絞殺した女性も全員暴行してた(映画ではやってないが)。

この映画が公開された時はデザルボがまだ裁判中のことで、多分に憶測と推理も入っており、当時話題になってたデザルボ事件について、いち早く映画を劇場公開することで、興行収入を上げたかった映画会社の意図があったのかもしれない。

モノホンのデザルボは刑務所で謎の死を遂げており、後になって冤罪説も出ている。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。