三池炭鉱・万田坑
去年のFBより。
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片麻痺オヤジの社会派見学。
菊池市からクルマで約1時間、荒尾市にある「三池炭鉱・万田坑」に行ってきた。
国の指定文化財であり、2015年にユネスコ世界遺産にも指定された。ここもピークは過ぎたのか、見学者は少ない。
入り口となる万田坑ステーションにクルマを停めて、障害者手帳持参で半額の入場料を払うと坑内へ。小規模だけど所々崩れた赤レンガ造りの建物が、終わってしまった1つの産業を想う哀愁ってものを勝手に感じて、良い雰囲気を出してるね。
九州の有明・東シナ海側って、石炭産業をはじめ、製鉄・製鋼、造船など、三井・住友・三菱・安田の4大ブルジョワ“日帝”企業による労働者搾取産業が盛んだったのだよなぁ(笑)。まっ、それはいいとして、江戸時代に石炭が発見されて以来、ココは、明治からの日本の産業革命を支えた遺産というわけだ。
敷地内をいろいろと見て回った後、廃墟マニアが好きそうな代表的な建物の中をガイドのジイさんが丁寧に案内してくれた。片麻痺のため、転げそうで狭い階段を上り下りするのが大変だったけど、ジイさんが手を差し伸べてくれて助かった。
デッカい櫓やワイヤーを引き上げる機械、深い穴蔵など、ふ〜んってな感じで愛想よく説明を聞いたが、よくこんなの作ったなぁ、くらいで特に感動はない。使われた鉄は産業革命の本場である英国からの輸入だって。
事務所や風呂場の跡、中に入る労働者が事前に必ず祈願した祭祀施設、労働者が使う用具など、昔の労働者の息吹を感じられそうなところは面白かった。
トンネルに続くトロッコなどを見てると、ラピュタのパズーが働いていた場所か、写真で見たアウシュビッツのガス室に続く線路を思い出したね。
暗く深いトンネルの中で、時に事故による死の危険を感じながら、不健康な環境で、顔を真っ黒にして、石炭を掘り出す作業に従事するなんて。スゲ〜な、昔の労働者は。
石炭なんて、もう工業用くらいしか使われてないよね。まだまだ地下にはたくさんの石炭が眠ってるのに。需要が無けりゃ掘ってもムダだしね。
最後に、ガイドのジイさんがカッコ悪いからと遠慮したのに、写真を撮ってくれて、コレが世界遺産観光コースの定番なんだね、きっと。
ジイさんが言ってたけど、九州の同じような建物が8箇所まとめて世界遺産指定になったそうで、「大したことないですよ」だって。写真を撮られたところの地面に黒光りする石があって、一億年前の石炭の残骸と知って驚いた。
隅から隅まで見て回ったけど、考えたのは、多分、近いし、当時、朝鮮・中国から強制労働で連れて来られた労働者もいたんじゃないだろうか。何の説明もなかったが。そういや大規模な三池争議もあったね。
長崎の端島(軍艦島)も行ってみたいな。
ガイドのジイさんに、万田坑が閉鎖(1951年、完全閉山は1997年)になってから、この町は何で栄えたのですか?と聞いたら、「うーん、グリーンランド(レジャー施設)やジャンボ梨、小代焼が有名ですよ」って…、そうか、万田坑の閉鎖とともにこの町も終わったのね(笑)。
帰ってから気付いた。大陸浪人・宮崎滔天の資料館と荒尾干潟に行くのを忘れた!また今度だ。