【映画】「カリフォルニア・ドールズ」
女子プロレス・サクセス・ストーリー、「カリフォルニア・ドールズ(...All the Marbles)」(81年・米)。
人間の生々しい欲と裏面を描くのを得意としたロバート・アルドリッチ監督の遺作。
美女レスラータッグのマネジャー、ハリー役がピーター・フォークで、仕草とか、どうしても「刑事コロンボ」と比較しちゃうねー。
カリフォルニア・ドールズの美女レスラー2人と老マネジャーが、旅をしながら、安いファイトマネーを得るためのどさ回りから泥レス・ショーまで出演する貧乏生活、嫌々、悪徳興行師に身体を売るなどして全米タイトルマッチを掴んで、頂点に上り詰めるまでを描く。
始めからミミ萩原他、日本人女子レスラーが出てきてニンマリ。
女子プロレスという野郎向けの色物・見せ物的イメージが強い、まさに裏社会も絡む興行の世界だ。
華麗な世界だけど、フツーのスポ根とは全然違う垢抜けた感じのしない汚れた人間的な匂いがプンプンするのは、やはりピーター・フォークの力量だろうと思う。
意外と小さな身体でリング外からレフリーを罵倒したり、裏社会の悪徳プロデューサーと渡り合ってケンカして彼の車をボコボコにして、巡業先のモーテルでは地元の売春婦を買って、ついには美女レスラーの一人と恋仲になる。往年のピーター・フォークの渋い名演技が冴えるね。
肝心のカリフォルニア・ドールズのプロレス・シーンも本格的。美女2人も体当たりの演技で最後のタイトル・マッチは面白くて眼が離せなかった。キレイなヤンキー娘が汗を流して叫びながら必死で闘う姿は、例えハズすところはあっても、オヤジ目線で観るとサイコーにモッコリたまらんな。今だったらコンプライアンスに引っかかるだろうけど(笑)。
まあ、お約束の鉄板の展開かもだが、プチ・アメリカン・ドリームを掴む職人アルドリッチ監督の80年代の愛すべきニンマリできる小品といったところか。