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「マイノリティ・リポート」
やっと「マイノリティ・リポート」をまともに観た。皆、知ってるスピルバーグ監督で、トム・クルーズ主演。
「ブレードランナー」「トータル・リコール」「高い城の男」もそうだが、注目するのは、やはり米のカルトSF作家、フィリップ・K・ディックの原作ということだ。俺は、まだ、あまり良い読者じゃないけど。
3人の超能力者の予知能力を使って、未然に殺人事件を防ぐという未来のケーサツ、犯罪予防局のエリート刑事を巡る物語。トム・クルーズ演じるエリート刑事自身が未来の殺人犯と名指しされるが、身の潔白を証明するため、逃亡を余儀なくされる…。
さすがスピルバーグ監督だけあって、一流のSFエンタメ映画として完成されてて、スリリングだ。
ディックの作品には、人間の存在そのものを問うような形而上学的な、哲学的なテーマ(←難しいね)のものが多い。つまり、これまでの記憶や経験、感覚など、普段、我々が持ってる人間として当たり前のものが、本当に自分のものなのか、作られたものではないか、他人から与えられたものではないのか、云々だ。ディックはこういうことを考えすぎて自分というものを失ってしまい、結局、晩年は宗教的な神秘主義に走ったが、ニーチェと同様、天才ゆえの狂気で理性をかろうじて保ったといったところだろうと思う。
なかなか考えが及ばないけど、自分の中で自己の存在基盤を失うって、考えてみりゃホントに怖い。あっ、ディックって、脳梗塞で死んでるんだよね。
街を歩けば、そこら中にある眼の網膜センサーで個人を認識して、その人に合わせた広告が即時に流れるなんて近い未来に実現可能じゃないか。今でいう検索エンジンのアルゴリズムみたいなものだよね。ディックの描く未来世界もやはり徹底的な管理監視社会だ。最新のテクノロジーが起こしてしまうミスの中に、人間としての可能性を探るといったとこかな。
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