「シニア右翼」
ちょっと気分が悪くなる新書だったが…。
アベテロを機に、一時期の、現代社会が産んだクズゴミカスであるところのネトウヨの勢いもなくなってきたと思うが、代わって(リンクするところも多々あるが)、50歳以上の「シニア右翼」の動きが目立ってるという。
目立ってるといっても、著者の算段では全国約200万人くらいの人口(有権者人口の約2%)だというが、一過性の社会現象ではなく、現代社会の深い病根であるから、被害を被らないためにも、連中の生態について知っておいても損はない。
ウチの近所にも、日の丸と旭日旗を掲げて(クルマにも日の丸ステッカー)、壁に近所の人の悪口等を板に書いて掲げてある家があるが、聞けば、やっぱり町内の厄介者だという。数回見かけたことがあるが、見た目、俺よりも少し年上の、デブったジジイ(こういうヤツは必ずデブる)だった。多分、中韓が大嫌いで、アベが大好きで、産経を取ってて、保守系言論人の本やネットばかりを見てると思われる。コレがシニア右翼である。
シニアといえば、世間的には、若い世代の過ぎた行動等を諌めて、“正しく”導く中和的な世代であり、常に俯瞰的で理性的である存在だと思われていたが、いつの間にやら、保守や右翼勢力から放たれたヘイトをマトモに信じて、リベラルを目の敵にして、若い世代を煽動しかねない存在、いわゆる老害に堕した厄介な存在となってしまってることが多い。
なぜ彼らはトンデモ右傾化するのか?
著者が分析するには、彼らの情報収集源のほとんどが動画サイト(YouTube)である。本なぞ読まない(つまりバカ)。
右派系言論人の著書や雑誌を、お守りのように、とりあえず買っておくことはするが、読み込んで分析するなんてことはほとんどない。
動画の内容がどんなにトンデモ・カルトであっても、教育等で受けた戦後民主主義に則った、これまでの価値観を、実に簡単にひっくり返されるのである。
それは、日本の教育において、先の大戦が反省としてマトモに継承されることはなかったからであるという。なぜ戦争が起こったのか、なぜ間違ったのか、という検証が曖昧なままにされてきたからだ。
無知は恥であり、時に罪である。戦争の真実を継承しないまま無知・無学が放置された結果、YouTubeのトンデモ・カルト動画を、いとも簡単に衝撃を受けて信じ込むのである。
俺は、次世代の価値観を受け入れ難い世代の、「今の若いもんは…」とする現世代の否定と、過去の美化の発展形ではないかとも思う。個人的なアイデンティティの喪失もあるんじゃないだろうか。
とにかく現代日本では、右派も保守も革新も左派も過激派も、シニア化が著しいと思う。故に、ネットに書かれてる、描かれていることは正しいという低劣なネットリテラシーが生まれてるのだ。
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